イキケからカラマまで夜行バス移動、恐怖の国道で夜明けを待つしかなかった
寒空の下、野犬の遠吠えにビビりながら夜明けを待つ。
カラマ到着、早朝5:50。
真っ暗な国道に下ろされた。
聞こえるのは・・・野犬集団の遠吠え・・・インドも野犬が多かったが、チリのほうが多い。
街によっては、ぱっと見、10匹以上いることがあるのだ。
これはチリに来る前には予想もしなかった。
2008年10月
イキケのホットドッグ
夜、イキケのバスターミナル横のホットドッグスタンドでアボガドホットドッグを食った。
ホットドッグを作る時に、具やソース類を入れるか聞かれる。
「チリソースは?」「Sir(スペイン語でシー。Yes)」「チリソースは辛いよ~」「チリソース好きです」「これはアボガドだよ」
おっちゃんは冗談を言いながら作り、まわりの女の子達が笑っている。
横の椅子に座って食っていると、おっちゃんは何か話してくるが、スペイン語全くわからん。
身振り手振りで、なんとか分かった。
日本のどこから来たのか、と。
次は、「ホットドッグうまいか?」今日2個目だが、やっぱりうまかった。
夜行バスでカラマに行く、騒音と深夜の荷物検査
バスの座席は2階最前列で見晴らしがいいと喜んだが、真夜中で何も見えなかった。
大手バス会社で、ブランケットと枕が配られた。
途中で隣にオッサンが乗車してきたのだが…
このオッサン、いびきが異常にうるさかった。
明らかに病院に検査に行く必要がある、ライブハウスのスピーカーの前にいるレベル。
風邪薬が効いてきたのか、やっと寝れたが起こされた。
もう到着したのか?乗客は誰もいない。
バスの乗務員が「荷物を持って、外に出て」
施設の前に長いカウンターがあり、乗客はそこに荷物を置き警察らしい人が検査を行う。
念入りに調査されることは無かった。
チリのバスで荷物検査があったのはこのときだけである。
カラマ到着、チリで一番びびってしまった夜明け
オッサンのイビキは治らなかったが、寝れた。
乗務員にスナックとジュースの入った朝食セットを配られて起きた。
5時、外はまだ真っ暗である。
バスは停車した。
ここが終点カラマなのか?
全員降りるようで、カラマ?と聞くと、そうだと。
下車場所はバスターミナルでは無く、国道であった。
ここはどこやろう?
まだ夜明け前で、周辺に何があるのか全く分からなかった。
乗車客目当てのタクシー、家族を迎えに来る人。
乗客は次々にどっかに行く。
バスも行ってしまった。
5時半。バスターミナルの待合室に行くか~
とりあえず眠気覚ましにタバコを吸い、方位磁石でバスターミナルがあるかもしれない方角に歩いていると、野良犬の吠える声が聞こえた。
野犬集団のケンカのような、さっきのオッサンの病的なイビキよりやばい・・・狂犬。
「野犬は夜に活発化します」
なんかに書いてあったことを思い出す。
・・・ヤバい。
狂犬病の予防接種を打てばよかった、と本気で後悔した。
幸い国道は車が走っているが、他に人がいない。
もし狂犬病の野犬集団に出会ったら、100%自分が狙われる・・・
歩いている方角は、本当にバスターミナルなのだろうか?
人を探すことにした。
バスの下車場所にいけば、他のバスが来て紛れ込めるし、誰かにバスターミナルの場所を聞ける。
そう考え、下車場所に戻った。
横に巨大なショッピングセンターがある。
柵で囲われているので、野犬が来たらフェンスによじ登ればいい。
バスの下車場所に戻ったのは正解だった。
車の掃除をするタクシーの運ちゃん、迎えか乗り換えのバスを待つ人がいた。
「Autobus Terminalはこの方角ですか?」
「Sir」彼は時計を指差して「開くのは7時ですよ」
歩いた方角は合っていたがまだ閉まっているので、待合室で寝る計画は無くなった。
野犬問題を考えると、一人で暗闇を歩くよりここで夜明けを待つ方が良い。
寒かった。
空がだんだん明るくなってきたので、バスターミナルへ歩き始めた。
下車場所は街外れで遠かった。
野犬が多い国、チリ
しかもシェパード系雑種の大型犬だ。
歩いていると、ケツに何かの感触があった。
振り向くと、大型犬が尻尾を振ってケツを舐めてくるのだ・・・なついている。
ズボンはヨダレで濡れてしまった。
このときだけでは無い。犬になめられることは数回あった。
犬は子供のころから実家でずっと飼っているし、今でも飼いたいくらい好きである。
しかし野犬は怖い。
野犬はついてくるので、バスでもらった菓子を与えた。
しかし、臭いを嗅いで”ケッ!”食わんかった。
完全に明るくなり、交通量も増えた。
脚を噛みそうな勢いでチャリに吠えかかる大型犬。
道路に寝そべる犬の集団・・・
あの場所で、運ちゃんと他の乗客と夜明けを待って正しかった。
アタカマ行きのバス切符を買う
バスターミナルの窓口は閉まっていたが、ドアが開いていたので中で待てた。
警備員らしい人に、スペイン語の単語を紙に書き見せる。
「サンペドロアタカマ行きのバスは何時ですか?」
バスは8時頃にあった。
スペイン語会話集を指差し「ここでバスの切符は買えますか?」
今では無く、あとから買えるのだった。
椅子に座って待つ。暖房が効いている。
彼と入れ替わりの女性が来て、窓口に入った。
切符くださいというと、まだ販売しないらしい。
バスターミナルの窓口にはWesten Unionという銀行名が書いてあるが、銀行も兼ねているのか?
女性一人、男性一人が出勤、3人は互いに抱擁と接吻をする。
朝から今生の別れを見ているようだ。
一人がドアを開放すると、早速子犬が2匹入って来て足元にすり寄ってきた。
かわいいなあ。
窓口の中年女性にアタカマ行きバス切符1枚くださいと書いたメモを見せると「5分待て」という。
5分後窓口に行くと、彼女は平気で無視して働くふりをした。
もう一人のところに行きかけると、切符の発行という面倒な仕事をしたくないのか?
そのババアも目が合うとすかさず顔を伏せ、いきなり忙しく計算を始めた。
笑えるほど、わざとらしすぎた。
ババア達にあきれながら隣の若者を見ると、愛想良く笑顔である。
キミだけやな、労働意欲のある従業員は・・・
アホな話ですが、必死でリュックを背負ったまま、スーパーのフェンスに登る練習をしましたw
国道もフェンスも夜明けも超大型犬も覚えています。
旅人生で一番の恐怖やった出来事かもしれません。
チリをアカタマ砂漠からパタゴニアまで陸路と船旅で旅行しました。
最大の目的は”自然の風景を撮る”コトです!!
ピンクフラミンゴ、ペンギン、イルカ、アザラシ、グアナコ、キツネなどの動物。
パイネ国立公園3泊4日初心者の無謀トレッキングで目の前に現れた巨大な氷河に圧倒…
自然の偉大さ・厳しさに感動した旅です。
2008年