やっぱりインドは『人VS人』の旅!
Uberアプリで移動も便利になりました。
しかし、インド旅行はやはり「人VS人」になってきます。
特に節約派のバックパッカーや個人旅行者にとって、現地の人々との関わりは欠かせません。
リキシャとの交渉もその一つです。
今回のデリーでは、Uberと交渉を半々で使い、リキシャを利用しました。
リキシャドライバーとの楽しい思い出?を紹介します。
滞在2024年10月
新人ドライバー
そろそろ酒屋の開店時間。
ビールを買うためにグルナラマーケットへ行こうとしました。
Googleマップで距離を確認し、交渉の際の価格を頭に入れて、寺院の門を出ました。
出入口にはリキシャが何台か停まっていました。
ゲートを出た瞬間、中年ドライバーが笑顔で寄ってきました。
ジャパン?アリガトウ!リキシャ?
グルナラマーケットまで、XXでOK?
グルナラは小さいよ!ハートマーケットというビッグなマーケットがある、入場料無料だ。たくさん土産物があるよ。たったの追加料金20ルピーでハートマーケットに寄るよ!
いや、土産物は欲しくない。ビール買うんでグルナラマーケットだけ行けばいいんですわ~
グルナラは小さいよ!(同じことを繰り返し言う)
彼は同じ説明を繰り返します。私は交渉を断ろうとしました。
すると彼は若者を呼び、「おい新米、このジャパンを乗せてやれ!」と指示しました。
駐車場から出てきた若者は、言い値で乗せてくれるとのこと。
ようやく出発です。
リキシャは猛スピードで走りました。
彼はスマホに音声入力し、画面を見せてきました。
検索結果にはモディ首相と安倍元総理が握手している画像が表示されていました。
どうやら「インド、ジャパン」と入力したようです。
モディ、マイフレンド!
彼はモディ首相を指さしながら、自慢げに言いました。
その時、検索結果のトップがモディ首相と安倍元総理だったことに妙に感心しました。
リキシャは逆走して近道をし、グルナラマーケットに到着しました。
釣りは10ルピーでした。
釣りをもらうつもりはなかったのですが、リキシャ関連の記事を書きたかったので、あえて聞いてみました。
お釣りは?
彼は少し困った顔をして、スマホに音声入力し、Google翻訳の画面を見せてきました。
食べ物を買うお金がないんだ…
ああ、そうなのか。
10ルピーは、彼にとって死活問題なのだと感じました。
「OK、ありがとう!」
「ありがとう!」
昔、道案内してくれた老人に10ルピーのチップを渡すと、手を合わせてすごく感謝されたことがあったことを思い出しました。
貴重?律儀なドライバー
Uberアプリを使うと、64ルピーなど端数が出ることがあります。
リキシャが道端に停車したので、私は札を出しました。
小銭はありません。
普通、ドライバーは細かい釣りを出さないので、70ルピーを渡して降りようとしました。
ところが、彼は自分の財布からコインを取り出し、さらにポケットをまさぐり始めました。
すいません、小銭が無いんですよ
え?(今、何と…?)
手持ちの小銭は今、これ(2ルピー)だけなんです
驚きました。
釣りが無いことを、丁寧に、申し訳なさそうに言うのです。
日本人のように会釈をしたようにすら見えました。
こんな律儀な人もいるのだと思いました。
三度目の正直
インドのリキシャ乗り方ガイドに、「たいてい三人目で正直者が見つかる」と書きましたが、最後にそれを実感しました。
夜、デリー空港に向かうため、宿から最寄りのメトロの駅に行こうとしました。
相場は30ルピーくらいでしょう。
前の通りでリキシャを停めました。
「デリー空港まで、いくらですか?」
「100」
いきなりぼったくり価格です。
他のリキシャが2台停車して交渉を見ています。
交渉決裂を待っているのでしょう。
次のリキシャに「30で行きますか?」と聞いても、やはり「100」と言います。
すると会話を聞いていた人が、「30で行くよ」と声をかけてきました。
彼に決定です。
どこから来たん?
ジャパン
ジャパン!東京?大阪?
インド旅行は何回目だ、といった話をしながら移動しました。
リキシャは駅近くで停車しました。
「ありがとう」
「駅へは、あの階段を上がるんや。そこから入れる」
柵の内側、駅の敷地内に入ると、彼がまだこちらを見ているのがわかりました。
手を振ると、彼も手を振り返してくれました。
私が階段を上るまで、彼は見守っていました。
第一印象も感じが良く、とても人当たりの良い人でした。
リキシャドライバーとのやり取りは、時に面倒ですが、面白いこともあります。
しつこい交渉やぼったくりもありますが、良い人との出会いは旅の思い出になります。
インド旅行の際は、ぜひリキシャでの交渉・交流を楽しんでみてください。